日本郵便の追跡サービスで表示される「持ち出し中」というステータス。待ちに待った荷物が、もうすぐ手元に届くサインだと分かっていても、なかなかインターホンが鳴らないと不安になってしまいますよね。
「もう夜なんだけど、本当に今日届くのかな?」「もしかして道に迷ってる?それとも忘れられてる?」なんて、悪い想像ばかり膨らんでしまうこともあります。特に、フリマアプリで購入した大切な商品や、イベントに間に合わせたい急ぎの荷物であればなおさらです。
急いでいて「郵便局まで取りに行けば早いんじゃないか?」と考える方もいるかもしれませんが、実はその行動が逆に受け取りを遅らせてしまう原因になることもあります。検索画面で「持ち出し中 意味」や「持ち出し中 来ない」と調べて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
実は、このステータスが表示されていても、配送サービスの種類の違いや、その日の物流状況、さらには天候などの外的要因によっては、必ずしもすぐに届くとは限らないケースがあるのです。
この記事では、元物流業界に関心を持ち、自身の体験としても数多くの配送トラブルを乗り越えてきた私が、日本郵便の「持ち出し中」というステータスの真実を徹底的に深掘りします。なぜ届かないのか、どうすれば確実に受け取れるのか、その具体的なアクションプランを一緒に見ていきましょう。

💡記事のポイント
- 持ち出し中と輸送中の決定的な違いと現在の荷物の状態
- 今日届く可能性が高い時間帯とサービス別の配送スケジュール
- 持ち出し中なのに届かない場合に考えられる具体的な原因
- 窓口受け取りや再配達を依頼する際の正しい手順と注意点
日本郵便の持ち出し中とは?意味と配送の仕組み

- 輸送中と持ち出し中の明確な違い
- 持ち出し中の配達時間は何時まで?
- 持ち出し中なのに届かない主な原因
- 郵便物が遅いと感じる時の状況判断
- 本日中に来ない可能性があるケース
追跡画面に表示される「持ち出し中」という言葉は、私たち利用者にとって最も期待が高まる瞬間です。「やっと近くまで来た!」という安心感を与えてくれますが、具体的に荷物がどこにあって、どのようなプロセスを経て自宅まで届くのか、その裏側まではあまり知られていません。ここでは、物流のラストワンマイルにおける基本的な仕組みと、到着時間の目安について詳しく解説していきます。ここを理解することで、ただ闇雲に待つストレスから解放されるはずです。
輸送中と持ち出し中の明確な違い
まず最初に押さえておきたいのが、追跡ステータスにおける「輸送中」と「持ち出し中」の決定的な違いです。この2つは言葉の響きこそ似ていますが、物流オペレーション上の意味合いも、荷物の物理的な所在も全く異なります。
「輸送中(In Transit)」とは、いわば長距離移動のフェーズです。例えば、東京で引き受けられた荷物が北海道へ向かう際、飛行機やトラックに乗って移動している時間や、大きな中継拠点で仕分けられている時間を指します。この段階では、荷物はまだ皆さんの住む地域を管轄する郵便局(配達局)には到着していないか、到着していても局内で区分作業の真っ最中です。つまり、まだ個別の配達員さんの手には渡っていません。
一方、「持ち出し中(Out for Delivery)」は、全く状況が異なります。これは、最寄りの配達郵便局での「道順組立(ルート順に荷物を並べる作業)」が完了し、担当の配達員さんがバイクや軽バンなどの配送車両に荷物を積み込んで、物理的に局を出発した状態を意味します。つまり、物流の最終段階である「ラストワンマイル」に突入しており、ドライバーさんが皆さんのご自宅へ向かって、一軒一軒ルートを回っている最中なのです。
この区別は、後述する「窓口受け取り」ができるかどうかを判断する上で非常に重要になります。「輸送中」なら局に到着する前、「持ち出し中」なら局から出てしまった後、ということになるからです。
| ステータス | 物流フェーズ | 荷物の場所 | 配達の目安 |
|---|---|---|---|
| 引受 | 発送完了 | 発送元の郵便局・コンビニ | 追跡開始 |
| 輸送中 | 中継・移動 | トラック・航空機・中継局 | まだ最寄りの局にはない |
| 到着 | 拠点到着 | 最寄りの配達郵便局内 | 配達準備中 |
| 持ち出し中 | 配達実行中 | 配達員の車両・バイク | 本日中に届く可能性大 |
| お届け済み | 完了 | 受取人手元・ポスト | 配達完了 |
また、Amazonや楽天市場などのECサイト上の追跡画面では「配達中」と表示されることがありますが、日本郵便の公式システムにおける「持ち出し中」と全く同じ意味です。どちらも「今日、あなたの家に向かっていますよ」という合図だと捉えて問題ありません。
詳細な追跡情報の確認は、日本郵便の公式サイトを利用するのが最も確実です。
(出典:日本郵便株式会社『郵便追跡サービス』)
持ち出し中の配達時間は何時まで?
「持ち出し中になったけれど、一体いつ届くの?」というのは、誰もが抱く疑問です。「午前中には持ち出し中になっていたのに、夕方になっても来ない…」と心配になることもあるでしょう。実は、配達される時間帯は、利用されているサービスの種類(ゆうパック、ゆうパケット、普通郵便など)や、その日のルート状況によって大きく異なります。
ゆうパック・レターパックプラス・速達(対面受け取り)
これらは原則として受取人への手渡し(受領印またはサイン)が必要なサービスです。ゆうパックには「午前中」「19時〜21時」といった時間帯指定オプションがあるため、夜間帯までの配送網がしっかりと敷かれています。
基本的に、配達業務は概ね21:00頃まで行われています。ドライバーさんは夜間の指定荷物を優先して配りつつ、指定のない荷物もルート上で効率よく届けていきます。「もう20時だから来ないかな?」と思っても、21時ギリギリにピンポンが鳴ることはよくある話ですので、夜遅くまで待つ価値があるサービス群と言えます。
ゆうパケット・普通郵便・レターパックライト(ポスト投函)
こちらは受領印が不要なため、郵便受けへの投函をもって配達完了となります。一般的に、配達員(主にバイク部隊)の稼働時間は夕方くらいまでが目安とされており、18:00頃までに投函が終わることが多いです。
しかし、これは絶対的な締め切りではありません。お中元・お歳暮の時期や、年末年始などの繁忙期、あるいは都市部のマンション密集地などでは、効率的に回れるため19:00〜20:00頃まで投函作業が続くことも散見されます。私自身も、20時過ぎに帰宅したらポストにゆうパケットが入っていた、という経験が何度かあります。「普通郵便だから夕方まで」と決めつけず、繁忙期は少し遅くまで気長に待ってみるのが良いでしょう。
ステータス更新のタイミングと到着目安
朝一番(8:00〜10:00頃)に「持ち出し中」になれば、その日の午前中から午後早い時間に届く可能性が高いです。一方、お昼過ぎ(13:00〜15:00頃)にステータスが変わった場合は、夕方から夜間の配達になる傾向があります。これは、「午後便」として再度局を出発する便に乗ったことを意味します。
持ち出し中なのに届かない主な原因
「朝から持ち出し中になっているのに、夜になっても届かない」。このようなケースで最も不安になるかと思いますが、実はいくつかの物理的な理由が存在します。「配達員さんが忘れているのでは?」と疑いたくなりますが、多くの場合は不可抗力によるものです。
一つ目の大きな要因は「天候や交通事情」です。地元の配達局までは無事に届いていても、そこから自宅までのラストワンマイルでトラブルが起きることがあります。例えば、夏場の局地的なゲリラ豪雨や、冬の大雪などで、バイクや配送車の走行が危険と判断されれば、安全のために配達員さんは局へ引き返す(持ち戻る)ことになります。また、事故による通行止めや、大規模な道路工事による渋滞で、計算していた配送ルートが回れなくなることもあります。
二つ目は「物流のパンク(積み残し)」です。これは私たち利用者には見えにくい部分ですが、物流現場では深刻な問題です。特にお歳暮シーズン、12月のクリスマス商戦、3〜4月の引越しシーズン、そしてAmazonプライムデーや楽天スーパーSALEの直後などは、郵便局に到着する荷物の量が、配達員さんの処理能力(キャパシティ)を物理的に超えてしまうことがあります。
配達員さんは可能な限り車両に詰め込んで出発しますが、どうしても配りきれなかった場合、時間指定のない荷物や、ルート効率の悪いエリアの荷物が後回しにされ、結果として「持ち戻り」となることがあります。この状態を現場では「積み残し」や「パンク」と呼ぶことがあります。
ステータスの変化に注意
配達しきれずに局に持ち戻った場合、ステータスは夜遅く(ドライバーさんが局に戻って残務整理をする時間帯)に「持ち戻り」や「保管」に変更されます。昼間はずっと「持ち出し中」だったのに、寝て起きたらステータスが変わっていた、という現象はこれが原因です。
郵便物が遅いと感じる時の状況判断

「なかなか届かないな」「いつもならもう届く時間なのに」と感じた時、少し冷静になって状況を整理してみる必要があります。場合によっては、システム上のタイムラグや、サービス自体の特性が関係しているかもしれません。
まず疑うべきは、追跡情報のタイムラグです。特に、コンビニエンスストア(ローソンなど)から発送された「ゆうパック」や「メルカリ便」の場合に多く見られます。コンビニで荷物を受け付けた時点では、まだ郵便局のサーバーとデータが完全に同期していないことがあります。また、コンビニから郵便局への集荷が行われて初めて正式な「引受」となるため、実際に発送手続きをしてから追跡番号が反映されるまでに半日近いラグが生じることがあるのです。「持ち出し中」になる前の段階で時間がかかっている場合、こうした初期段階の遅れが響いている可能性があります。
次に確認したいのが、土日・祝日の配達の有無です。日本郵便は2021年10月よりサービスを見直し、普通郵便(はがき・手紙)やゆうメールなどの土曜日配達を休止しました。これにより、「普通郵便は土日祝日は配達されない」という認識が広まりました。
しかし、ここで混同してはいけないのが、「ゆうパック」「レターパック」「速達」「書留」などの速達性サービスは、土日祝日に関係なく年中無休で毎日配達されているという点です。
| サービス種別 | 平日 | 土曜日 | 日・祝日 |
|---|---|---|---|
| 普通郵便・ゆうメール | 〇 | ×(休止) | ×(休止) |
| 特定記録郵便 | 〇 | ×(休止) | ×(休止) |
| ゆうパック | 〇 | 〇 | 〇 |
| レターパック | 〇 | 〇 | 〇 |
| 速達・書留 | 〇 | 〇 | 〇 |
| クリックポスト | 〇 | 〇 | 〇 |
もし日曜日に追跡画面を見て「持ち出し中」と表示されていれば、それは間違いなく今日配達される予定の荷物です。「今日は日曜だから配達はないだろう」と勘違いして外出してしまい、不在票が入っていた…なんてことにならないよう、自分が待っている荷物の種類をしっかり確認しておくことが大切です。
本日中に来ない可能性があるケース
「待ち続けてもう夜になってしまった…」という状況で、今日中の受け取りを諦めるべきタイミングというのも存在します。無駄に起きて待っているよりも、翌日の対策を考えた方が建設的な場合があるからです。
判断の基準となるのは、21時(午後9時)というラインです。日本郵便のゆうパックにおける再配達や夜間指定の最終枠は「19時〜21時」となっています。したがって、21時を過ぎてもインターホンが鳴らず、ステータスが「持ち出し中」のままであれば、当日の配達は行われない可能性が極めて高いと判断すべきです。
「持ち出し中」のまま21時を過ぎるということは、ドライバーさんは既に配達業務を終了して局に戻っているか、帰局途中の処理待ち状態にあると考えられます。おそらく、数時間後の深夜、あるいは翌朝未明に、ステータスが一括して「保管」や「持ち戻り」に更新されるでしょう。
「サイレント不在」の可能性も?
また、非常に稀なケースですが、「一日中家にいたのに不在扱いになっていた」という現象もあります。これをユーザー間では「サイレント不在」などと呼ぶことがありますが、意図的な手抜きであることは稀で、以下のような原因が考えられます。
- インターホンの音が聞こえなかった: ヘッドホンをしていた、お風呂に入っていた、テレビの音が大きかったなど。
- 設備へのアクセス不可: マンションのオートロックが故障していた、工事中で玄関まで行けなかった、敷地内で犬が放し飼いにされていて危険だったなど。
- 表札が出ていない: 配達員さんが「本当にこの家で合っているか」確証が持てず、誤配を防ぐために持ち帰った。
もし21時を過ぎても届かない場合は、一度ポストを確認してみてください。不在票が入っていれば、それは「来ていたけれど会えなかった」という証拠です。不在票もなければ、物理的に回りきれなかった「積み残し」の可能性が高いでしょう。
日本郵便の持ち出し中とは?対処法と受け取り

- 郵便局での窓口受け取りの手順
- 追跡が更新されない時の対応策
- 調査中や宛所不明になった時の処置
- 21時以降の配送と再配達の依頼
- 転送サービス利用時の到着遅延
- 日本郵便の持ち出し中とは?まとめ
ここまで、「持ち出し中」の意味や届かない理由について詳しく見てきました。では、実際に自分の荷物が「持ち出し中」になっている時、私たち利用者はどのような行動を取れば良いのでしょうか?ここでは、確実かつスムーズに荷物を受け取るための具体的なアクションプランと、やってはいけないNG行動について解説します。特に「待ちきれないから窓口へ取りに行きたい」と考えている方は、行動を起こす前に必ずこのセクションを確認してください。
郵便局での窓口受け取りの手順
「追跡を見たら近くの郵便局で持ち出し中になっている。家から車で5分だし、取りに行った方が早いのでは?」
そう考えるのは非常に自然なことです。しかし、ここには物流の仕組み上、避けては通れない大きな落とし穴があります。
【最重要】「持ち出し中」のまま郵便局に行っても、荷物は受け取れません!
これは何度強調しても足りないくらい重要なポイントです。なぜなら、「持ち出し中」というステータスは、その荷物が今まさに配達員さんのバイクや配送車の中に積まれており、街中を移動していることを示しているからです。
つまり、物理的に郵便局内には荷物が存在しないのです。この状態でいきなり窓口に行っても、局員さんは「ドライバーが持っているので、ここにはありません」と答えるしかありません。「ドライバーに連絡して戻らせてくれ」と頼んでも、ドライバーさんは何百個もの荷物を抱えてルートを回っている最中なので、一人のために急に戻ることは現実的に不可能です。結果として、「ドライバーが戻る夜まで待つか、また後で出直してください」と言われてしまい、完全な無駄足になってしまいます。
窓口で確実に受け取るためには、以下の手順を厳守する必要があります。
1. 電話連絡を入れる
まず、担当の郵便局(集配局)へ電話をします。電話番号は日本郵便の公式サイトで郵便番号から検索できます。「窓口で受け取りたい」旨を伝え、現在の荷物の状況を確認してもらいましょう。
2. 帰局確認と取り置き依頼
電話口で局員さんに、ドライバーさんが何時頃に局へ戻るかを確認します。そして、「配達を中止して、局に戻ったら窓口で受け取れるように取り置いてほしい(局留め扱いにしてほしい)」と明確に依頼します。これにより、夜間の再配達などに回されるのを防ぎます。
3. ステータス確認と来局
荷物がドライバーさんから局に戻され、処理が完了すると、追跡情報は「保管」などのステータスに変わります。あるいは、電話で指定された時間以降になったら局へ向かいます。
4. 必要なものを持参する
窓口受け取りには厳格な本人確認が伴います。手ぶらで行っても絶対に交付されません。
- 本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、在留カードなど(顔写真付きが望ましい)。住所と氏名が荷物の宛名と一致している必要があります。
- 印鑑: サインで代用可能な場合が多いですが、持参した方がスムーズです。
- 追跡番号: 不在連絡票があればベスト。なければ番号をメモするかスマホ画面を見せられるようにしておきましょう。
追跡が更新されない時の対応策
「朝からずっと持ち出し中だが、もう夜遅い。でも不在票も入っていない」あるいは「『お届け済み』になっているのに、手元にない!」。このようなトラブルが発生した場合、焦らず、しかし迅速に行動する必要があります。
まず、「お届け済み」になっているのに届いていない場合です。これは誤配の可能性もありますが、まずは身近なところを確認しましょう。
- 同居のご家族が受け取っていないか: 意外と多いケースです。「お母さんが受け取って棚に置いていた」など。
- 宅配ボックスやガスメーターボックス: 「置き配」の指定をしていなくても、配達員さんの判断(あるいは過去の指定の引き継ぎ)で入れられている場合があります。
- 郵便受けの奥: 薄いゆうパケットなどが、チラシに紛れて奥の方に入り込んでいることがあります。
これらを確認しても見当たらない場合、あるいは長時間ステータスが動かない場合は、担当の集配郵便局へ電話で問い合わせるのが最も確実で早いです。
Webのお問い合わせフォームもありますが、回答までに時間がかかることがあります。特に当日の配送状況については、現場のドライバーさんと無線や電話で直接連携が取れる電話窓口(ゆうゆう窓口など)に連絡するのがベストです。「届いていないのですが、状況を確認してもらえますか?」と丁寧に伝えれば、ドライバーさんに現在地や状況を確認してくれます。
調査中や宛所不明になった時の処置
追跡画面を見ていて、見慣れないステータスが表示されるとギョッとしますよね。特に「調査中」や「宛所不明」といった表示は、配送がストップしていることを示すアラートです。
「調査中」が表示される主な理由
- 宛所不明(住所不備): 最も多い原因です。番地の記載漏れ、部屋番号の欠落、表札と宛名の不一致、転居済みで転送届が出ていない場合などが該当します。配達員さんは現地まで行ったものの、確証が持てずに持ち帰っています。
- 荷物の破損・汚損: 輸送中の衝撃で外箱が破損したり、中身(液体など)が漏れ出して他を汚損したりした場合、局内で状態確認と記録を行うためにストップがかかります。
- 誤区分: 本来到着すべきでない別の営業所に届いてしまった場合、正しいルートへ戻す処理中です。
このステータスを見たら、何もしないで待っていてはいけません。すぐに郵便局へ連絡してください。
特に住所の不備であれば、ユーザーが自ら問い合わせて正しい住所(部屋番号など)を伝えれば、その日のうち、あるいは翌日には配達されることが多いです。逆に、連絡をせずに放置していると、「宛所不明」として差出人(EC事業者やメルカリの出品者)へ返送されてしまうリスクが高まります。返送されてしまうと、再送料がかかったり、取引キャンセルになったりと面倒なことになりますので、スピード勝負で対応しましょう。
21時以降の配送と再配達の依頼

先ほど「配達は基本的に21時まで」とお伝えしましたが、もし不在票が入っていた場合、その日のうちに再配達してもらうことは可能なのでしょうか?
通常のWeb申し込みや自動音声受付における「当日再配達」の締め切りは、多くの地域で17時〜18時頃に設定されています。これを超えてしまうと、システム上は「翌日以降」の指定しかできなくなります。
しかし、ここで諦めるのはまだ早いです。不在票をよく見てください。担当ドライバーさんの「直通携帯電話番号」が記載されていることがあります。
もし記載があれば、当日19時頃まで(地域やドライバーさんによります)なら、直接電話をして「これから帰るので、もし近くにいたら再配達してほしい」と相談できる可能性があります。ドライバーさんも、荷物を持ち帰るよりは配りきってしまいたいと考えていることが多いので、ルートの都合がつけば対応してくれることがあります。
ドライバーさんへの配慮を忘れずに
ドライバーさんは運転中や作業中です。電話に出られないこともありますし、既にエリアを離れていて対応できないこともあります。あくまで「相談」のスタンスで連絡し、無理強いはしないようにしましょう。
転送サービス利用時の到着遅延
最後に見落としがちなのが、引越しに伴う「転居・転送サービス(e転居)」を利用しているケースです。
転送サービスは、旧住所宛ての郵便物を新住所へ無料で転送してくれる非常に便利なシステムですが、配送プロセスが一つ増えることになります。
通常のフロー: 差出人 → 旧住所の管轄局 → 配達
転送のフロー: 差出人 → 旧住所の管轄局 → 【転送データ照合・新住所ラベル貼付】 → 新住所の管轄局へ輸送 → 配達
この「照合・転送処理・再輸送」のプロセスを経由するため、通常よりも1日〜数日到着が遅れます。同じ市内への転送でも最低1日はロスが生じると考えておいた方が良いでしょう。
また、転居届を提出してから実際にデータが登録されるまでには、事務処理のために3〜7営業日ほどのタイムラグがあります。引越し当日に届出を出しても、最初の1週間分の郵便物は旧住所に届いてしまう(あるいは宛所不明になる)リスクがあります。引越しが決まったら、余裕を持って早めに手続きを済ませておくことが、新生活でのスムーズな受け取りに繋がります。
日本郵便の持ち出し中とは?まとめ

今回は、日本郵便の「持ち出し中」というステータスの本当の意味や、届かない場合の背景、そして私たちが取るべき対処法について詳しく解説してきました。長くなりましたが、重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 「持ち出し中」は、配達員さんが荷物を持って局を出発した「ラストワンマイル」の状態。基本的に当日中に届くサイン。
- 配達時間はサービスによるが、ゆうパックなどは21時頃まで。21時を過ぎたら翌日以降の可能性大。
- 「持ち出し中」のまま郵便局に行っても受け取れない。窓口受取希望なら必ず事前に電話連絡を。
- 「調査中」の表示が出たらトラブルの合図。すぐに問い合わせて住所確認などを済ませる。
- 天候や繁忙期など、ドライバーさんの努力ではどうにもならない遅延もあることを理解し、ゆとりを持って待つ姿勢も大切。
便利な追跡サービスですが、画面の向こう側では、雨の日も風の日も、一人のドライバーさんが懸命に荷物を運んでくれています。ステータスの意味を正しく理解し、焦らず適切なアクションを取ることで、ストレスなく荷物を受け取ることができますよ。
この記事が、皆さんの「まだかな?」という不安を解消し、スムーズな受け取りの一助になれば幸いです。
※本記事の情報は執筆時点の一般的な配送ルールに基づきます。最新の状況や個別の配送トラブルについては、日本郵便の公式サイトや担当郵便局へ直接お問い合わせください。
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