急に現金が必要になったときに限って、キャッシュカードが見当たらない、あるいはATMで使えないといったトラブルに見舞われることがあります。財布の中を確認してカードがないことに気づいた瞬間の、あの血の気が引くような感覚は誰しも経験したくないものです。
「ゆうちょ キャッシュカード再発行 即日」と検索してこのページにたどり着いたあなたは、今まさにそのような焦燥感の中にいらっしゃるかもしれません。
ゆうちょ銀行のキャッシュカード再発行は即日で完了するのか、手続きにかかる時間や手数料はどうなっているのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。特に土日や平日夜間に現金が必要な場合、窓口が開いていないため途方に暮れてしまうこともあります。
また、代理人が手続きできるのか、暗証番号を間違えてロックがかかった場合はどうなるのかなど、疑問は尽きません。
この記事では、単なる手続きの案内だけでなく、再発行の手続きを待たずに現金を確保するための具体的な解決策や、再発行における注意点について、私自身の経験や知識を交えながら詳しく解説していきます。
物理的なカードが手元になくても、あるいは壊れてしまっても、今日この場のピンチを切り抜ける方法は必ずあります。焦らずに、一つひとつの手段を確認していきましょう。

💡記事のポイント
- 物理的なカードの即日再発行はできないが代替手段で現金確保は可能
- 磁気不良であればATMを使ってその場で修復できる場合がある
- スマホとアプリがあればカードが手元になくても出金が可能
- 窓口での代理人手続きには本人自筆の委任状が必ず必要になる
ゆうちょキャッシュカード再発行は即日できないが解決策はある

- 磁気不良ならATMですぐに修復できる
- スマホATMならカードなしで出金可能
- 窓口で通帳と印鑑を使い引き出す方法
- 実際のカード到着までの期間は2週間
- 紛失時はすぐに利用停止手続きを
結論から申し上げますと、ゆうちょ銀行においてキャッシュカードそのものを即日で再発行し、その場で受け取ることは物理的に不可能です。これはどの郵便局の窓口に行っても変わりませんし、どれだけ緊急性を訴えてもシステム上対応できない仕組みになっています。一部のメガバンクではテレビ窓口などで即日発行が可能な場合もありますが、ゆうちょ銀行は中央の事務センターで一括発行し郵送する体制をとっているためです。
しかし、ここで絶望する必要はありません。「カードを即日手に入れること」と「今日、現金を手に入れること」はイコールではないからです。カードそのものが手元になくても、あるいは使えない状態であっても、現金を確保するルートは複数存在します。まずは、あなたのカードの状態や手持ちのツール(通帳、アプリなど)に合わせて、最適な解決策を選んでいきましょう。
磁気不良ならATMですぐに修復できる
「キャッシュカードは手元にある。でも、ATMに入れると『お取り扱いできません』と表示されて戻ってきてしまう」。このようなケースは、カードの紛失ではなく「磁気不良」である可能性が極めて高いです。そして、もしこの状態であれば、再発行手続きなど待つことなく、今すぐに問題を解決できるチャンスがあります。
実は、ゆうちょ銀行のICキャッシュカードには、ATM操作だけで磁気情報を即座に修復できる機能が搭載されています。これは意外と知られていない機能なのですが、窓口の営業時間外であっても、ATMさえ稼働していれば24時間いつでも復旧が可能なのです。
なぜATMで直せるのか?
キャッシュカードには、目に見える「ICチップ(金色の四角い部分)」と、裏面の黒い帯である「磁気ストライプ」の両方に口座情報が記録されています。通常、ATM取引では磁気ストライプの情報が使われることが多いのですが、ここがスマホの電波やマグネット留め具の影響で弱くなってしまうことがよくあります。しかし、ICチップの情報が生きていれば、ATMがその正しい情報を読み取り、磁気ストライプに書き込み直す(修復する)ことができるのです。
ATMでの磁気修復手順
- 対応するゆうちょATM(主に郵便局やゆうちょ銀行店舗に設置されているもの)に行きます。
- 画面メニューから操作するのではなく、まずはカードを挿入します。
- 磁気不良を検知すると、画面に「磁気の修復」や「提携金融機関カード」といった選択肢が表示される場合があります(機種により異なります)。
- 案内に従って「磁気修復」を選択し、暗証番号などを入力します。
- 数十秒程度待機すると、ICチップの情報をもとに磁気データが上書きされ、修復完了のレシートとともにカードが返却されます。
この処置にかかる時間はわずか1分程度。もちろん手数料は無料です。もし手元のカードが割れておらず、単に読み取れないだけであれば、再発行を検討する前にまずは最寄りのゆうちょATMで試してみてください。これが最も早く、まさに「即日・即時」に問題を解決できる方法です。
注意点:利用できないケース
非常に便利な機能ですが、以下の場合は利用できません。
- 70歳以上のお客様:特殊詐欺被害防止の観点から、ご高齢の方の口座ではATMでの修復機能が制限されていることが多いです。この場合は窓口での手続きが必要です。
- ファミリーマート等の小型ATM:一部の簡易的なATMでは修復機能が搭載されていないことがあります。
- 物理的な破損:カードが割れている、ICチップ自体が錆びている・剥がれている場合は修復できません。
スマホATMならカードなしで出金可能
「カードを紛失してしまった」「家に忘れてきたけれど、今すぐ出先で現金が必要」。そんな絶体絶命のピンチに救世主となるのが、「ゆうちょ通帳アプリ」に搭載されている「スマホATM」という機能です。
この機能を使えば、物理的なキャッシュカードが手元になくても、スマートフォンとATMだけで現金の預け入れや引き出しが可能になります。「カード再発行」という時間のかかる手続きをスキップして、まずは当面の資金を確保するという意味で、これほど強力なツールはありません。
スマホATMの具体的な利用フロー
利用するには、事前に「ゆうちょ通帳アプリ」の登録が完了していることが前提となります。
- ゆうちょ銀行ATMの画面で「スマートフォンでのお取引」を選択します。
- ATM画面にQRコードが表示されます。
- ゆうちょ通帳アプリを起動し、「送金・支払」タブなどから「ATM入出金」を選択してQRコードリーダーを起動します。
- スマホでATMのQRコードを読み取ります。
- スマホアプリ上で生体認証(指紋や顔)またはパスコード入力を行います。これがキャッシュカードの代わりの認証となります。
- 認証が成功すると、企業番号などが表示されるので、それをATMに入力し、あとは通常通り金額を指定して出金します。
この一連の流れにより、カードレスでの出金が完了します。財布を落としてカードも免許証もない、という状況でも、スマホさえあれば現金が手に入るため、まさに現代の命綱と言えるでしょう。
利用における重要な制約と「デッドロック」のリスク
ただし、この機能を利用する上ではいくつか注意しなければならない点があります。特に「紛失時の対応」との兼ね合いは非常にデリケートです。
紛失届との「デッドロック」に注意
もし、カードを紛失したことに気づいてすぐに銀行へ電話し、口座に「取引停止(ストップ)」をかけてしまった場合、安全のためスマホATM機能も利用できなくなる可能性が高いです。また、「これからアプリを登録して使おう」と思っても、アプリの初回登録時にはキャッシュカードの情報(暗証番号など)が必要になります。つまり、「カードを失くしてからアプリを入れようとしても手遅れ」なのです。
したがって、この方法は基本的に「既にアプリを使っているユーザー」だけが使える特権的な緊急脱出手段だと認識してください。もしアプリ未登録でカードを紛失した場合は、残念ながらこの方法は使えません。次の「窓口での引き出し」を検討しましょう。
窓口で通帳と印鑑を使い引き出す方法

スマートフォンを持っていない、アプリを登録していない、あるいはご高齢でデジタルの操作に不安があるという方にとって、最も確実で伝統的な資金確保手段は「窓口での引き出し」です。「キャッシュカードがないとお金が下ろせない」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、本来、預金の権利を証明する主たる媒体は「通帳」です。
キャッシュカードが手元になくても、以下の3点(通帳・印鑑・本人確認書類)が揃っていれば、全国どこの郵便局の貯金窓口でも現金を引き出すことができます。
必須となる3つのアイテム詳細
- 通帳:口座の権利を証明する物理的な冊子です。もし「通帳レス口座(ゆうちょダイレクト+)」に切り替えている場合は、この方法は使えませんのでご注意ください。
- お届け印:口座開設時に登録した印鑑です。認印やシャチハタでは代用できません。「どの印鑑か忘れてしまった」という場合は、候補となる印鑑をいくつか持参すれば、窓口で照合してもらうことが可能です。
- 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード(顔写真付き)、パスポートなどです。顔写真がない健康保険証などの場合は、追加で別の書類(年金手帳や公共料金の領収書など)を求められることがあるため、事前に確認するか、多めに持っていくと安心です。
メリットとデメリット:高額出金と時間の壁
この方法の最大のメリットは、ATMのような「1日50万円」という引き出し限度額の制限を受けにくい点です。窓口であれば、100万円を超えるような高額な出金でも、本人確認と使途の確認(何に使うか)ができれば対応してもらえます。カード紛失時にまとまったお金が必要な場合は、むしろ窓口の方がスムーズかもしれません。
一方で、最大のデメリットは「営業時間」です。ゆうちょ銀行の貯金窓口は、原則として平日9時から16時までしか営業していません(一部の中央郵便局などは18時まで営業している場合もありますが、極めて稀です)。
金曜日の夜にカードを失くした場合、月曜日の朝9時までこの方法は使えないことになります。これが「即日」を求めるユーザーにとって最大の障壁となります。平日日中に動ける方であれば、迷わず窓口へ行くのが正解ですが、そうでない場合は他の手段との組み合わせが必要です。
実際のカード到着までの期間は2週間
緊急の現金確保ができたとしても、やはりキャッシュカードがない生活は不便です。正式に再発行を申し込んだ場合、新しいカードが手元に届くまでにどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
ゆうちょ銀行の公式アナウンスや一般的な実績に基づくと、申し込みから受け取りまでは約1週間から2週間を要します。これは、先述の通り各店舗でカードを発行しているのではなく、事務センターで集中発行し、そこから簡易書留で郵送されるというプロセスを経るためです。
なぜそんなに時間がかかるのか?
プロセスを分解すると以下のようになります。
- 申し込み受付:窓口やアプリでデータを受け付けます。
- データ送信・審査:事務センターへデータが送られ、内容に不備がないか確認されます。
- カード作成(エンボス加工・ICチップ書き込み):専用の工場やセンターで物理的なカードが作られます。
- 発送準備・郵送:郵便局へ引き渡され、簡易書留として発送されます。
- 配達:お客様の登録住所へ届けられます。
この物理的な移動と処理には、どうしても日数がかかります。「急いでいるので特別に早くしてほしい」「速達で送ってほしい」と窓口でお願いしても、システム化された工程に乗せられるため、個別対応で期間を短縮することは基本的にできません。
連休や年末年始の影響
ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などの長期休暇を挟む場合や、郵便事情によっては、2週間以上かかることも珍しくありません。また、簡易書留はポスト投函ではなく「対面受け取り」が必須ですので、不在が続くと受け取りがさらに遅れてしまいます。
したがって、再発行を申し込んだ後は「しばらくカードは使えない」と腹を括り、その間の生活費を確保しておく(窓口でまとめて下ろしておくなど)計画性が重要になります。
紛失時はすぐに利用停止手続きを
「もしかしたら家のどこかにあるかもしれない」「車の中に落ちているかも…」と探したい気持ちは痛いほど分かります。しかし、もしカードが確実に見当たらないのであれば、不正利用を防ぐために一刻も早く利用停止の手続き(紛失届)を行う必要があります。これは現金の確保よりも優先すべき、セキュリティ上の最重要事項です。
ゆうちょ銀行では、24時間365日体制でカードの紛失・盗難の受付を行っています。
カード紛失センター(24時間365日受付)
フリーダイヤル:0120-794-889
※海外からの場合など、つながらない時は公式サイトで専用番号をご確認ください。
電話以外にも、ゆうちょダイレクト(インターネットバンキング)を契約していれば、Web画面から自分で操作してカード機能を停止させることも可能です。電話が繋がりにくい場合などはWeb活用も検討してください。
【重要】再発行後の「発見」は取り消し不可
ここで一つ、非常に多くの方が後悔するポイントをお伝えします。それは「再発行手続き完了後にカードが見つかっても、元のカードは復活しない」という事実です。
例えば、紛失届を出して再発行の手続きを行い、手数料が引き落とされた翌日に「カバンの奥底から出てきた!」というケース。この場合、慌てて銀行に電話をしても、再発行のキャンセルや古いカードの有効化はできません。古いカードはシステム上で無効化されており、ただのプラスチックの板になっています。
また、支払った再発行手数料(1,100円)も返金されないのが一般的です。そのため、家の中にある可能性が高い場合は、まずは電話で「一時停止」だけをしておき、徹底的に探してから再発行手続きに進むという慎重さも時には必要かもしれません(ただし、外で落とした可能性があるなら即停止・即再発行が鉄則です)。
ゆうちょキャッシュカード再発行の即日以外の手段と詳細

- 再発行にかかる手数料と無料のケース
- 手続きに必要なものと本人確認書類
- ゆうちょ手続きアプリで来店不要
- 代理人が窓口で手続きする場合の条件
- 暗証番号ロックは再発行で解除されない
- ゆうちょキャッシュカード再発行は即日無理だが焦らず対応を
ここまでは、カードがない緊急事態における現金の確保について解説してきました。ここからは、正式なカードの再発行手続きを行う際の詳細について掘り下げていきます。再発行には手数料がかかる場合とかからない場合があり、手続きの方法も窓口だけではありません。「知らなかった」で損をしないよう、制度の仕組みをしっかり理解しておきましょう。
再発行にかかる手数料と無料のケース
「再発行にはお金がかかるの?」という疑問に対する答えは、「理由による」です。ゆうちょ銀行では、再発行の理由を明確に区分しており、それによって手数料(1,100円)が発生するか、無料になるかが決まります。
| 理由 | 手数料(税込) | 具体的な状況 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 紛失・盗難 | 1,100円 | どこで失くしたか不明、盗まれた、捨ててしまった | 完全に自己都合または管理不足とみなされます。 |
| 破損・汚損 | 1,100円 | 誤って割った、洗濯して曲がった、犬が噛んだ | お客様の過失による物理的損傷です。 |
| 磁気不良・IC不良 | 無料 | 大切に使っていたが読み込まなくなった、ICチップのエラー | 経年劣化や自然故障とみなされ、無償交換対象です。 |
(出典:ゆうちょ銀行公式サイト『キャッシュカードの再発行』)
「現物がない」はすべて紛失扱い
ここで最も注意が必要な落とし穴があります。それは、「磁気不良等の無料で交換できるケースでも、そのカード自体を窓口に提出しなければならない」というルールです。
例えば、カードが磁気不良で使えなくなり、「どうせ使えないから」と自分でハサミを入れて捨ててしまったとします。その後、窓口に行って「磁気不良で使えなくなったので再発行してほしい」と伝えても、手元に交換すべきカードがないため「紛失」扱いとなり、1,100円の手数料が請求されます。
無料交換の条件はあくまで「古いカードとの引き換え」です。どれだけボロボロでも、読み取れなくても、そのカード自体が「証拠」となりますので、手続きの瞬間までは絶対に廃棄しないでください。
手続きに必要なものと本人確認書類
窓口で再発行手続きを行う場合、手ぶらで行っても手続きはできません。二度手間を防ぐために、以下の持ち物を確実に揃えてから郵便局へ向かいましょう。
必須アイテムリスト
- 通帳:当該口座の通帳。
- お届け印:口座に登録している印鑑。これが違っていると手続きがストップします。もし登録印が分からない、あるいは紛失している場合は、同時に「改印(印鑑変更)」の手続きが必要になります。その場合は、新しく登録したい印鑑を持参してください。
- 本人確認書類:これが最も重要です。運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、官公庁が発行した顔写真付きの書類であれば1点で済みます。健康保険証や年金手帳など顔写真がないものの場合は、さらにもう1点(公共料金の領収書や住民票など)の提示を求められることが一般的です。
- 手元にあるキャッシュカード:破損や磁気不良による再発行(無料・有料問わず)の場合は、必ず持参してください。
なお、通帳も一緒に紛失している場合は、「通帳の再発行」手続きも同時に行うことになり、別途1,100円の手数料がかかる可能性があります(合計2,200円)。痛い出費ですが、口座の安全を守るための必要経費と割り切るしかありません。
ゆうちょ手続きアプリで来店不要
「平日の昼間は仕事で郵便局に行けない」「窓口で待たされるのが嫌だ」という方には、スマートフォンを使った「ゆうちょ手続きアプリ」での再発行をおすすめします。
このアプリは、窓口に行かなくても様々な手続きができる公式アプリです。特に再発行に関しては、アプリ上で本人確認から申し込みまで完結できるため、非常に利便性が高いです。
eKYCによる本人確認
アプリでの手続きでは、「eKYC(電子的本人確認)」という仕組みを使います。具体的には以下の2つの方法のいずれかで行います。
- マイナンバーカード読み取り:スマホのNFC機能でマイナンバーカードのICチップを読み取り、暗証番号を入力する方法。これが最も簡単で早いです。
- 書類撮影+容貌撮影:運転免許証などの厚みや記載内容をカメラで撮影し、さらに自分の顔をインカメラで撮影して、まばたきなどで生体反応を確認する方法。
この認証が通れば、あとは画面に従って再発行理由(紛失、汚損など)を選択し、必要であれば手数料を決済するだけです。窓口に行く移動時間や待ち時間をゼロにできるため、スマホ操作に抵抗がない方には最適な選択肢です。
アプリで手続きできないカード
すべてのカードがアプリで再発行できるわけではありません。クレジットカード機能が付帯した「JP BANKカード」や、アニメキャラクター等がデザインされた特殊なカード、あるいは法人名義のカードなどは、アプリからの再発行に対応していない場合があります。その際は、やはり窓口での書面手続きが必要になります。
代理人が窓口で手続きする場合の条件
「本人が入院中で動けない」「高齢で足が悪く、郵便局まで行けない」。そのような事情がある場合、ご家族などの代理人が窓口で手続きを行うことも可能ですが、金融機関の本人確認ルールは年々厳格化しており、ハードルは決して低くありません。
絶対に越えなければならない「委任状」の壁
代理人が手続きをする際に絶対不可欠なのが、「口座名義人ご本人が直筆で記入・押印した委任状」です。
ゆうちょ銀行所定の委任状フォーマット(公式サイトからダウンロード、または店頭で入手)に対し、委任する内容(キャッシュカード再発行など)と、本人の住所・氏名を必ず本人が自筆で書かなければなりません。「手が震えて書けないから、妻が代筆した」「本人は認知症で書けないから、息子が書いた」というのは、原則として認められません。
手続きのフローと確認電話
- 代理人は、「本人の自筆委任状」「本人の通帳・印鑑・本人確認書類」「代理人の本人確認書類」のフルセットを持って窓口に行きます。
- 窓口担当者が書類を確認します。
- 多くの場合、「ご本人の意思確認」のために、銀行に登録されている本人の電話番号へその場で電話をかけます。
- 電話口で本人が「はい、再発行を依頼しました」と回答できて初めて、手続きが進められます。
このように、単に書類が揃っていれば良いわけではなく、本人の明確な意思確認が求められます。もしご本人が認知症などで意思表示が難しい場合は、成年後見制度などの利用を促されることになり、通常の代理人手続きでは対応できないケースもあります。
こうした事態に備えて、ご本人が元気なうちに「代理人カード(家族カード)」を作成しておくことが、将来的なトラブルを防ぐ有効な手段となります。
暗証番号ロックは再発行で解除されない

私が以前相談を受けた中で非常に多かった勘違いが、「暗証番号を3回間違えてロックされてしまった。再発行すれば新しいカードになるから、ロックもリセットされるだろう」というものです。
残念ながら、これは大きな間違いです。キャッシュカードを再発行しても、暗証番号のロック状態は引き継がれることがほとんどです。
銀行のシステムにおいて、暗証番号のロックは「口座そのもの」や「顧客情報」に紐付いている場合が多く、物理的なプラスチックカードを変えただけでは解消されません。また、たとえ新しいカードが届いても、元の暗証番号を思い出せなければ、またすぐにロックされてしまいます。
ロック解除には別の手続きが必要
暗証番号のロックを解除(誤入力回数のクリア)するためには、再発行とは別に「暗証番号照会・ロック解除」の手続きが必要です。これも窓口で行う必要があります。
- ロック解除:正しい暗証番号を覚えているが、入力を間違えてロックされた場合。窓口で手続きすれば即日解除され、すぐに使えるようになります。
- 暗証番号照会:そもそも番号を忘れてしまった場合。窓口で手続きをすると、後日(約1週間後)、登録住所へ簡易書留で現在の暗証番号が通知されます。窓口でその場では教えてもらえません。
つまり、ロックがかかっているのに「再発行」だけをしてしまうと、1,100円と2週間をかけて新しいカードを手に入れても、ATMに入れた瞬間に「使えません」と表示される悲劇が待っています。ロックが原因の場合は、再発行ではなくロック解除の手続きを行ってください。
ゆうちょキャッシュカード再発行は即日無理だが焦らず対応を
ここまで解説してきた通り、ゆうちょ銀行のキャッシュカードを即日で再発行することは、物理的にもシステム的にも不可能です。しかし、だからといって全ての手段が閉ざされているわけではありません。
- カードはあるが使えない
→ ATMでの磁気修復を試す(最短1分・無料・即解決の可能性大) - カードがないが現金が必要
→ スマホATM(アプリ利用者の場合)、または窓口で通帳と印鑑を使った引き出し(平日日中のみ) - カードを完全に失くした
→ コールセンターへ連絡後、再発行手続き(到着まで約2週間かかることを覚悟する)
焦る気持ちは痛いほど分かりますが、まずは「現金の確保」と「カード機能の回復」を分けて考え、ご自身の状況に合った最適な方法を選んでください。この記事が、あなたのトラブル解決の一助となれば幸いです。
※本記事の情報は執筆時点(2025年)の一般的なルールに基づいています。個別の口座状況や店舗によって対応が異なる場合があるため、正確な情報は必ずゆうちょ銀行の公式サイトや窓口でご確認ください。
ゆうちょキャッシュカード再発行は即日不可を総括

- 即日再発行は不可能:ゆうちょ銀行では、窓口・アプリを問わずキャッシュカードの即日再発行・受け取りは物理的にできない。
- 所要期間は2週間:新しいカードが手元に届くまでは、申し込みから約1週間~2週間(簡易書留)を要する。
- ATMでの磁気修復:カードが割れていない単なる磁気不良であれば、ATM操作(約1分)だけで即座に修復できる。
- 高齢者の修復制限:防犯上の理由から、70歳以上の顧客はATMでの磁気修復機能が利用できない。
- スマホATMの活用:「ゆうちょ通帳アプリ」を既に登録していれば、カードなしでATMから現金の入出金が可能である。
- アプリ登録の壁:カード紛失後にアプリを新規登録しようとしても、認証にカード情報が必要なため登録できない。
- 窓口での出金:平日9時~16時であれば、通帳・届出印・本人確認書類の3点で窓口から現金を引き出せる。
- 再発行手数料:紛失・盗難・汚損(割れなど)による再発行は、1,100円(税込)の手数料がかかる。
- 無料交換の条件:磁気不良やICチップ不良などの自然故障は無料だが、交換時に古いカードの提出が必須である。
- 現物は捨てない:磁気不良カードを捨ててしまうと、現物がないため「紛失」扱いとなり、有料(1,100円)になる。
- アプリでの再発行:「ゆうちょ手続きアプリ」とマイナンバーカード等があれば、来店不要で再発行手続きができる。
- 暗証番号ロック:暗証番号のロックはカードを再発行しても解除されないため、別途窓口での解除手続きが必要である。
- 紛失時の初動:カードが見当たらない場合は、24時間対応のカード紛失センターへ連絡し、直ちに利用停止措置をとる。
- 発見後の復活不可:再発行手続き完了後に古いカードが見つかっても、キャンセルや旧カードの再有効化は一切できない。
- 代理人の厳格さ:代理人が窓口手続きをする場合、本人が自筆した委任状に加え、電話による本人意思確認が行われる。
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